Googleのメインビジネスはキーワード検索連動広告なので、人々がキーワード検索をこれまで通り使い続けることは、Googleにとって極めて重要です。広告主にとっても使い慣れたキーワードでの広告設定を継続できることはメリットです。そして、このビジネスモデルは、圧倒的なシェアをもつ検索サービスによって支えられています。実態が検索かAI回答システムかに関わらず、人々がGoogle検索を利用する限りGoogleはこの主力ビジネスを継続できます。
検索広告は、「検索ランキングが」主要コンテンツであり、ユーザーが「検索ランキング」に魅力を感じることで、そのキーワードとマッチした広告に興味を持つ仕組みです。つまり、「検索ランキング」が無ければ検索連動広告も出すことができません。また、主な広告主はサイトであり、自社では上位を獲得できないキーワードについて高いコストを払って出稿します。つまり、検索連動広告は検索ランキングに依存しています。
「AIによる概要」や「AIモード」は、検索システムの膨大なユーザーを直接引き留めるための、AIによる防衛的な対応策と見ることができます。ただし、Geminiが質問に全て答えればよい、ということにはなりません。
キーワードによる検索は、本質的に表現や伝達力が低いという課題を抱えています。しかし、人々は長い間これを使い、習慣化しているので、長々と質問を書かなくても短い単語の羅列で情報を引き出せるスキルを備えています。キーワード検索は、短く簡単で早い、信頼性の高い膨大な情報の蓄積、というアドバンテージがあります。そして、キーワード検索を継続させる強い動機がGoogleにはあります。しばらくの間は、検索システムにユーザーを留めることを最優先とした対策が取られると予想されます。
中期的にはAIチャットにも何らかのビジネスモデルが持ち込まれると予想できますが、今現在は検索連動広告に代わるものがありません。「AIモード」をまだユーザーが起動する必要があるのは、まだ広告を載せる準備が整っていないからかもしれません。「AIモード」に広告が載り、自動的に起動される優先モードになる時が来るとすれば、新たな主要コンテンツが開発され、サイトのトラフィックは今以上の大幅なトラフィック減少に直面するかもしれません。逆に、より公平で多くのサイトにトラフィックが行き渡るようになるかもしれません。