独自システムの開発に強み
シンメトリックは、Webシステム受託開発の会社として始まり、PCとモバイルのコンテンツ変換製品をメインとするサーバーサイド製品の企業として発展してきました。「無いものは作る」という発想のもと、自社の製品やクラウドサービスを受託開発とともに手がけてきました。そのような経緯から、パッケージとして無いものを作る、という独自システムの開発に強みがあります。
独自システムの開発では、要件定義が重要となっています。多くの独自システムは、「実現したい世界は想像できるけれども、具体的な画面や操作イメージ、管理ツールが設計できない」という課題があります。また、それによってコストの見積もりが難しいということもあります。要件定義ではクライアント以上にその仕様について深い洞察が必要です。
また、どのような技術を使うべきかも重要な決定事項です。今は様々なプラットフォームやフレームワークがあります。要件に合わせ、時代に合わせ、将来を見据えた技術を選択することで、長く使える保守性の高いシステムが実現できます。
独自システムの設計の要はデータベースの設計です。ふわふわな要件をデータ項目に落とし、テーブル設計に反映することができれば、開発可能な段階に進めることができます。データ項目に落とすためにすることは画面設計です。クライアントの要望をラフな画面イメージに落とし、これらを整理していくことで実際の画面に近いワイヤーフレームが完成します。ワイヤーフレームがクライアントの要望を満たせれば要件定義が終了します。
AIと開発手法
シンメトリックでは、従来のウォーターフォールやアジャイルといった開発手法にAIを組み込んだ開発フローを構築しています。基盤モデルとして
Google Gemini
を採用し、上流工程の具体化やプロトタイプの作成、設計書から実装コードおよびテストケースの生成、品質管理に至るまで、AIをエンジニアのパートナーとして活用しています。エンジニアは実装に伴う定型作業から解放され、要件定義やシステムコンサルティングなど、より付加価値の高い業務にリソースを集中させています。
1. 要件定義とプロトタイピング
要件定義フェーズにおける最大のボトルネックである「要件の曖昧性」を排除するため、テキストベースの要件定義書作成と並行して、生成AIを活用したプロトタイピングを取り入れています。ユーザーからヒアリングした業務要件やシステム要件に基づいて、Tailwind
CSS +
TypeScriptベースのUIコンポーネントを生成します。直接ブラウザで操作可能なモックアップを提示することで、「実際の業務フローに合致しているか」「扱うデータ項目やロジックに過不足がないか」といった業務適合性の検証を要件定義段階で高い精度で実施することができ、実装フェーズでの「仕様認識の齟齬」による手戻りを極小化しています。
2. Markdown起点のコード生成パイプライン
設計、実装フェーズでは、Markdown形式で記述した画面設計書(ルーティング、パラメータ、イベント処理、権限設定等)やモデル定義書、およびバリデーション定義などのドキュメントをインプット情報として使用します。一例としてLaravelを活用するケースでは、設計書を基にGeminiがBladeテンプレートを生成します。同時に、Livewireコンポーネントとしてのイベントハンドラや制御ロジックも自動生成されます。データ層の実装においては、データベース設計書やmigrationコードを基点とします。これをインプットとして、Eloquentモデルや、データの作成・読み出し・更新・削除を行う標準的なCRUDメソッドを備えたソースコードを生成します。また、スキーマ定義に基づいたデータベースシーダーの生成によるテストデータの準備も並行して進めることで、実装初期段階から整合性の取れたデータを用いた検証が可能となります。
3. コード品質担保とレビュープロセス
AIが生成したコードがそのままプロダクションコードとしてマージされることはありません。特にBladeテンプレートへのスタイル適用や、複雑なビジネスロジックとの結合部分においてはエンジニアによる品質チェックが重要です。エンジニアによるレビューに加え、AI自身による「仕様書と実装コードの整合性検証」の仕組みも導入を進めています。AIの役割はあくまでコードの「提案」に留まり、コミットに対する最終責任は人間が負う体制を徹底しています。
4. QA・テスト工程
テスト工程においても、Markdownで記述された「画面設計書」および「モデル定義書」を活用します。これらをGeminiにインプットすることで、正常系・異常系・境界値を網羅したテストケースをベースとして自動生成します。生成されたテストケースをそのまま使用するのではなく、過去の開発案件で蓄積した当社独自のノウハウを持つエンジニアがレビューします。AIではカバーしきれないプロジェクト固有の業務ルールや、過去のトラブル事例に基づいてエッジケースを追加することで、「AIの機械的な網羅性」と「エンジニアの経験則」を融合したテスト計画を策定しています。
採用技術
システムの安定稼働を支える基盤として、インフラには世界標準であるAWS(Amazon
Web
Services)を採用しています。OSにはAWSと親和性が高く運用が安定しているAmazon
Linuxを原則使用し、トラブルの少ない堅牢な環境を構築します。
ここに蓄積される業務データや顧客情報といった大切な資産は、MariaDBやPostgreSQLといった信頼性の高いリレーショナルデータベースを用いて堅実に管理します。また、システム開発においてはデータベース構築にとどまらず、GeminiやOpenAIなどの最新の生成AIモデルや、外部WebAPIとの連携も積極的に行います。データを単なる記録として保存するだけでなく、AIによる高度な処理や外部連携と組み合わせることで、「ビジネスに最大限活用できるデータ基盤」として整備します。
システムを動かす主要なプログラミング言語(バックエンド)には、多くの開発エンジニアが存在し、長期間の保守・運用にも不安がないJavaやPHPを選定しています。特にPHPにおいてはLaravelという開発フレームワークを用いることで、セキュリティと開発効率を両立させています。一方、お客様が直接触れる操作画面(フロントエンド)にはJavaScriptやTypeScriptを使用し、必要に応じてReactやVue.jsといった技術を組み合わせることで、スムーズで使いやすい操作性を実現します。
また、私たちはすべての機能をゼロから開発することだけが正解だとは考えていません。お知らせやブログなどお客様自身で更新したい箇所にはWordPressを導入したり、デザイン性が重視される紹介ページにはWixやStudioといったノーコードツールを活用したりと、柔軟な構成をご提案します。システムの根幹となる重要な機能は堅牢なプログラムで作り込み、表側のページはツールでコストを抑えるといった「ハイブリッドな開発」により、ご予算と目的に合わせた最適なシステム構築を実現します。
実績
01. ブログメディア特化型
AIチャット検索・分析ソリューション『SiteAsk Ops』
〜「ゼロクリック検索」時代への対抗策。サイト内回遊の促進と、ユーザーインサイトの可視化を実現〜
「SiteAsk
Ops」は、既存のブログメディアに導入可能な「サイト内検索AIチャット」です。Google
Vertex AI Search (RAG)
を活用し、蓄積された膨大なブログ記事をAIが学習。ユーザーの自然言語による質問に対し、自社コンテンツに基づいた正確な回答と共に「関連する記事リンク」を提示することで、離脱を防ぎサイト内の回遊性を飛躍的に向上させました。さらに、チャットの対話ログを蓄積・分析する基盤も独自に構築。ユーザーの隠れた「訪問意図」や、サイト内に不足している情報をデータとして可視化し、コンテンツ戦略やサービス訴求の最適化につなげるマーケティングエンジンとしての役割も担っています。
SiteAsk AIサイト内検索「https://siteask.ai/」
サービス導入デモ「やさしいGoogleアナリティクスブログ」
システム全体像の図解イメージ
入力(User Input):
フロントエンドチャットUI(ユーザーからの自然言語での質問)
処理(AI Core): Vertex AI Search + LLM
API(OpenAI / Gemini等)
クローラーが既存ブログ記事を自動学習・インデックス化(RAG)
出力(Response):
対ユーザー: AIによる回答 +
該当記事への誘導リンク(回遊性UP・サービス訴求)
対管理者:
ログ蓄積・分析システム(訪問意図の解析、不足コンテンツの可視化)
担当領域:
研究開発(R&D) / システム設計・開発 /
AIモデル選定・チューニング(RAG構築) /
AWSインフラ構築 / ログ分析基盤構築 / 運用改善
02. サイクルツーリズム向けレンタル予約システム 〜既存SaaSでは実現できない独自の業務フローを、フルスクラッチで具現化〜
自社運営のサイクルツーリズム事業(RIDEAWAY)において、独自の予約フローと在庫管理を実現したシステムです。「自転車ごとの稼働状況をカレンダーで管理したい」「GPSアプリで走行ログを記録し連携させたい」といった特殊な要件に対し、既存のSaaS(予約パッケージ)では対応できなかったため、ゼロから設計・開発。「無いものは作る」という当社の方針を体現した事例です。
RIDEAWAYサービスサイト
システム全体像の図解イメージ
ユーザー画面(Web):
日付×車種の空き状況カレンダー、SNSログイン
管理者画面(Web):
自転車在庫管理、クーポン発行設定
モバイルアプリ(App): GPS走行ログ記録・送信
連携:
Webシステムとアプリが相互にデータ連携する構成
担当領域:
マーケティング領域:
コンテンツ企画・制作(ライティング) /
SEO内部・外部対策 / アクセス解析・改善提案
03.
住宅メーカー・購入検討者マッチングプラットフォーム
〜集客から成約までをワンストップで。SEOに強いコンテンツ基盤を統合した事業支援システム〜
住宅購入検討者とメーカー営業担当者を繋ぐマッチング機能に加え、その前段階である「集客」を担うブログコンテンツ管理機能(CMS)を統合したプラットフォームを構築しました。本プロジェクトではシステム開発にとどまらず、クライアントが保有する動画資産を元にしたSEO記事コンテンツの企画・制作(ライティング)から運用までを当社が担当。検索エンジンからの流入を最大化し、マッチングシステム本体へ見込み顧客を強力に送客する仕組みを構築しました。コアとなるマッチングおよびCMS部分は自社で独自開発し、決済や面談予約などは外部APIを活用。ビジネスの成長に必要な機能を網羅的に実装しています。
システム全体像の図解イメージ
流入元: 検索エンジン (Google/Yahoo!)
システムの中心は会員向けマッチングプラットフォーム
集客機能: ブログCMS(SEO記事コンテンツ) 送客矢印: ブログからマッチングへの回遊
成約機能: マッチングシステム(会員・営業の商談)
連携(API Integration):
Googleカレンダー、電子契約締結、クレジットカード決済、LINE/メール
担当領域:
システム領域: 要件定義 / UI・UX設計 /
外部システム選定 / システム開発 / インフラ構築 /
保守運用
マーケティング領域:
コンテンツ企画・制作(ライティング) /
SEO内部・外部対策 / アクセス解析・改善提案
04. 大規模統合コンテンツ配信プラットフォーム 〜散在する情報を集約し、マルチデバイスへ一括配信〜
大手企業内に散在していた多数のシステムから、ニュースや資料などの情報を一元管理するプラットフォームを構築しました。情報は管理画面から一度登録するだけで、JSON形式のWebAPIを通じてWebサイトやモバイルアプリ(iOS/Android)へリアルタイムに配信。プッシュ通知機能も実装し、運用の手間を大幅に削減しつつ、情報の到達率を向上させました。また、配信先のサイトや表示領域の指定、PC・スマホなどデバイスの指定、自社会員基盤と連携した商品契約状況に応じた配信、会員登録地域による制御など、情報の発信先を細かく制御できる機能を実装することで柔軟な運用を実現しました。
システム全体像の図解イメージ
統合管理画面から記事・資料を登録
APIサーバーとしてJSON生成・配信、配信先の制御
既存Webサイト A, B, C...
モバイルアプリ(iOS / Android)+プッシュ通知
管理画面からAPIを経由し、多様なデバイスへ情報が拡散するフローを実現
担当領域:
現状分析 / システム設計 / API開発 / 管理画面構築
/ プッシュ通知実装
05.
コールセンター向けWeb操作再現・アーカイブシステム
〜特許技術(第6043890号)を活用し、サポート業務の課題を解決〜
Webサービスの操作サポートを行うコールセンター向けの業務支援システムです。ユーザーごとに表示内容が動的に変化するWebサイトにおいて、従来は紙の資料や想像に頼っていたサポート業務を革新しました。独自の特許技術を用い、ユーザーが見ている画面状態をそのまま保存・再現・アーカイブ化。正確な状況把握を可能にし、サポート品質と対応速度を劇的に改善しました。
システム全体像の図解イメージ
シナリオ取得ツール(独自開発のブラウザ)でウェブコンテンツの複製(クローン)を保存
画面状態キャプチャ・アーカイブエンジン(特許技術)
オペレーター側:
アーカイブシステム(ユーザーと同じ画面を表示・履歴参照)
コメント機能、問い合わせがあった位置のヒートマップ機能でサイトの改善点をフィードバック
担当領域:
技術研究・特許取得 / プロトタイプ開発 /
システム詳細設計 / 本番開発 / 導入支援