AIチャットでは、自然言語で様々な条件を設定して質問ができ、個別な回答を返します。一方、検索はURLのランキングを返します。
Google検索にとってランキングはもっとも重要なサービス仕様です。ランキングされるからユーザーは迷うことなく上位のサイトを訪問し、そのトラフィックを目指してサイトはSEO対策をします。SEO対策によってコンテンツはキーワードと検索意図という単位で制作され、キーワードに対する最適ランキング向きのコンテンツとなります。
ランキングは多数の要望をカバーする
URLのランキングは、「有用な情報が存在する可能性順」という見方もできます。キーワードという不自由な入力に対して、検索意図で絞りつつも多くの人が満足できる方法です。1ページ10件のURLの中には多くの情報が詰まっているので、全てを見れば、有用な答えを見つける確率が上がります。つまり、多くの人の検索意図を満足させる多くの回答を含んでいるのがランキングです。
単一の回答を期待する質問(検索)はランキングには不向き
一方で、ランキング形式は、次のような、存在する1つの答えを求めるような質問(検索)には、基本的に向いていません。これらの回答は、基本的には同じなので優劣が付けられません。また、多くの不要な内容が含まれているために、回答への満足度は低くなってしまいます。
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複雑な条件を含む質問はランキングが不向き
ランキング形式は、次のような、様々な前提や多くの条件を加味した検索(質問)にも向いていません。多数の条件を設定することで、求められる情報はニッチ化、細分化します。コンテンツとして極端に数が少なくなったり、適切な回答に複数のコンテンツの一部を組み合わせる必要が生じます。これらの情報はGoogleのインデックスになりにくく、キーワードでのランキングには適しません。
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これらの問いはキーワード検索自体が難しいので、そもそも検索システムのスコープ外ということになります。検索を利用する場合は、複数の結果から自ら結論を考える必要があります。
ランキングの相対的な価値が低下
ユーザーがキーワード検索から自然言語の質問にスタイルを変えると、最適解を得るために、「1位から探して、無ければ別のキーワードで再検索」というランキングに対するユーザー行動は、「詳しく質問する」または「続けて質問する」というAIチャットに対するユーザー行動に代替されます。
そのような代替が進むほど、ランキング形式の相対的な価値が下がっていきます。ランキングされないということは、1位を目指してSEOをしているサイト側にとって目標が無くなることを意味します。そして、サイトとGoogleの共生関係が崩れることへ繋がりかねません。
一方で、AIチャットは、前提や多くの条件を加味した質問に回答することができます。