AIOの目標
SEOでは、クリック数といった明確に増減する数値目標がありました。AIOは、AIから言及されるサイト全体に施すコンテンツ対策なので、同様の数値目標が存在しません。加えて、Search Console(サーチコンソール)に引用数や引用リンクのクリック数も表示されないので、目標となるかどうかはともかく、把握できる数値がありません。
ビジネスサイトが予算を投じて行う以上、AIO対策になんらかの数値目標が必要です。現在のところ設定できる数値には以下のものがあります。
AIチャットからの流入数
- 純粋にAIチャットからの流入数は計測可能で、明確な数値です。ただし、Google検索における数値は取得できません。また、質問内容は不明なため、対策効果だと証明できず、ToDoに繋がりにくいのが難点です。
想定Q&Aで言及される数
- コンテンツが回答に含まれたい想定Q&Aを作成し(AIで効率的に作成可能)、そこに出力されるかを定期的にチェックする。ターゲットに対するコンテンツ対応を重視する場合には有効ですが、PDCAで継続することが難しいのが課題です。
検索で3位以内に入ったキーワード数
- SEO対策ですが、上位であれば引用の可能性が高いので上位キーワード数に目標を置きます。情報検索でSEOも兼ねた領域の現実的な目標値となります。
ビジネスエリアのPV数
- 集客(メディア、広告LP)を除いたPV数であり、CV(コンバージョン)の母数増加を目標とし、SEOやAIO等は区別せずサイト全体の価値アップを進めます。AIOはサイト全体が対象であり、AIOは特別な制作法ではないので基本の指標とします。ただし、AIO対応という名目は薄れます。
AIO単独の目標としては物足りませんが、各サイトでそれぞれの施策に合った目標を置くことで、AIOとしてのToDoが明確になります。今後の中長期的な施策としてAIOを考えるのであれば、ビジネスエリアのPV数がもっとも分かりやすく、CVとの関連としても近いものになります。
3種類の訪問者とビジネスエリアの関係
CVするユーザーは、多くのサイトでは、ビジネスエリアのコンテンツを見て回り、サービスを吟味して再訪して比べてCVに至ります。AIOも目的は顧客獲得なので、これは延々と続くサイト改善の1つとして考えます。
このとき、サイトのコンテンツを3つの訪問者に分けてコンテンツ対策を考えることができます。3つは、オウンドメディアや広告など集客施策からの訪問者、2つ目はサービス検討を行う潜在顧客となる訪問者、そして最後は訪問者としてのAIボットです。
集客訪問者は、オウンドメディアでも広告でも、ビジネスエリアに誘導する必要があります。興味を持たせてビジネスエリアへの回遊を促す施策、またはブランド認知が対策となります。目標はビジネスエリアへの回遊数や回遊率となります。
潜在顧客層は、指名検索や履歴などからビジネスエリアに直接訪問します。ここでは、エリア内の回遊施策が必要です。分かりやすい説明やメリット、CTAの設置など、魅力的で使いやすいコンテンツ作りが重要です。目標はPV数となります。また、「滞在時間」や「スクロール率(読了率)」など、質の高い接触を示す指標も補助指標として役立ちます。
AIボットは新たな訪問者です。多くのサービスの全容は、説明をすべて読んで理解することは多くの人には困難であり、それをメンテナンスすることも膨大な労力です。ユーザーごとに知りたいことや条件は異なりますが、各人にとり重要項目は一部です。AIボットは、いわば「ユーザーの代理人」としての訪問者です。膨大な情報から必要な項目だけを抽出したいユーザーに代わり、AIがサイトを「下読み」します。そのため、人間には読み切れないほどの詳細な仕様や一次情報、構造化データを「AI向けの辞書」として配置することが有効です。AIからの流入数を目標とするか、または組み込まれたAIチャットがあれば、その回答数を目標にすることができます。
AIボットを対象にしたコンテンツが直接の訪問を獲得するわけではありません。これらのコンテンツにより、AIボットがサイトや企業の情報を理解した結果、AIがサイトのどこにユーザーを誘導するかは、会話によって異なるためです。AIボット向きのコンテンツはAIにサイトを理解するための多くの情報を与えることを目的としていて、直接の訪問を狙う検索とは異なります。
これからのビジネスエリアは、『人間が直感的に理解できるデザイン』と、『AIが論理的に解析できる構造化データ/詳細テキスト』の二層構造(デュアルレイヤー)で構築することが求められます。AIに深く理解させることで、AIはユーザーに対し、より確信を持って自社サービスを推薦(誘導)できるようになるからです。